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lunes 1 de agosto de 2005

オリエンタルランド幻想

前項(2005-07-23の地震に思う)で、挙げたようにオリエンタルランドに対する過剰なまでのサービス水準を要求している例は少なくは無いようだ。

少なくとも、「オリエンタルランドならやってくれる」「オリエンタルランドならやってもおかしくない」「オリエンタルランドならやってほしい」という期待まで含めると、いわゆる嫌ディズニー,嫌オリエンタルランド以外の人は、ほとんどの人が持っているんじゃなかろうか。

KoZにだって、「もし2005-07-23に京葉線,東西線の終日運休が発表されていたら、あんなことやこんなこともやってくれたかも」と思わせてしまうくらい。

企業のイメージ戦略としては、これはまさに大成功と言って良いだろう。

実際の力は7だったとしても、それを10にも12にも見せることができるのだから。(…なんかプロレスみたいだ な)

アルバイト先として見た場合、オリエンタルランドは「美味しい」ものではない。

決して高くはない賃金,省力化され難い仕事内容(その省力化されていない所がパークの売りなんですけどね),期間ごとの雇用見直し,厳しい(と噂される)髪形や装飾品の規定…などなど。

それでもオリエンタルランドのキャスト募集には大勢の人が集まる。東京ディズニーリゾートのファンサイトでは 「キャストになりたい」という憧れを持つ中高生(時にはもっと上の年齢層)の質問も頻繁に見かける。

これもイメージ戦略の成功のおかげと言えるだろう。


現実には、ディズニー本社はキャラクター利権を手放さないようにするために米国議会に働きかけ法律まで変えてしまうし、ライオンキング,アトランティスに代表される盗作疑惑もある。

オリエンタルランドにも「東京ディズニーリゾート暗黒の軌跡」のような暴露本がある。右翼企業との関連が公表されたのは記憶に新しいだろう。

今秋オープンの香港ディズニーランドには、周辺地域の野犬の捕殺といった動物愛護団体が目を剥きそうな話題が既に出てきている。

たぶん、露顕してない問題は他にもあるでしょう。

ポイント1:ディズニー本社およびオリエンタルランドには「夢と魔法」とは程遠い話題がいくらでもある


オリエンタルランドは、年収の倍以上もの資金を開発投資に注ぎ込んでいる。

投資に明るくないKoZに見えているだけでも、ディズニーシーの新アトラクション2つ-レイジングスピリッツとタワーオブテラー,シルク・ドゥ・ソレイユ専用劇場,第3のブランドホテルにパーム&ファウンテンテラスホテル(と、パートナーホテルズのためのシャトルバス開発やらショップ開店やら),ディズニーランドのワールドバザールの改装

これくらいは開発投資に注ぎ込んでいる。閉鎖されたNKホールも死蔵させるには場所的にもったいないので何らかの資本投下がされることでしょう。

それは厳然たるビジネスであり、投下した資本に対する利益が問題になってくる。いざとなったら税金投入や、潤沢な郵便貯金から低金利(無金利?),無審査で莫大な借款ができる公団,公社とは話が違う。それが営利企業というもの。

例え、「サービス」としてある程度、マイナスを出したとしても、トータルではプラスになるように持って行かなけれ ばならない。

「サービス」というのは、言わば鯛を釣るための「海老」のようなものだ。ビジネス・ネゴシエーションのセミナーを 受けてみると良く分かる。交渉戦術の基本とも言える。

例えば、少し古い型の携帯電話を0円で販売していたりする。

これも新規契約によるキックバック料金が仕入れ値より上だったりするか、死蔵させるくらいなら多少赤字でも現金が欲しい…というような事態があるからで、その後、回線使用料という名目で長期的に収益が上がるから、携帯電話会社は小売店にキックバックを支払うのである。

最近は聞かれなくなったが、公共団体などへのコンピュータ1円入札、0円入札なんてのがあった。これもハードウェアさえ納入してしまえば、専門のソフトウェアやメンテナンス要員などは、自分のトコでしか調達できない。こちらの費用でハードウェアの代金などペイできて、お釣り(黒字)が来るからこそ発生していたのである。

最終的な利益につながらなければ、マクドナルドだってバリューマックといったセールなんてやりはしないだろう。

もちろん、こういった交渉戦術は相手側にも「得した」と思わせる事が重要。バリューマックで言うと、顧客には「バーガー単品より少し高いが、安い値段でポテトも付いてきた」という満足感。店側はもちろん「ポテトの正価よりは少ないが、売上が増えた」という事。「本当にポテトが必要なのか?」は考慮外だったりする。

オリエンタルランドにしてみれば、「顧客に気持ちよく金を落としてもらえる」事が主目標だろう。「気持ちよく」と 行けば、次回も金を落としてくれる可能性も高いからだ。ちょっぴり「サービス」して大きなリターンがあるからこ そ、やっているのだ。

(そのちょっぴりの「サービス」を惜しんで、リターンを失ってる企業も少なくはないけどね)

パチンコやパチスロをやる人は、「出血大サービス」の宣伝文句を鵜呑みにする人はいないだろう。ごく少数の人が大儲けをしても、大多数の人が負けているからこそ、パチンコ業界は潰れない。

ポイント2:ディズニー本社およびオリエンタルランドは慈善事業を行う採算度外視の団体ではなく、営利企業である


オリエンタルランドも営利企業である以上は、損失を出すほどのサービスはやりはしない。少なくとも長期的にはプラスで終わるように計算した上での事だし、それが出来なければ、経営者とは呼べない。(もちろん、計算間違いする経営者というのも少なからず存在しますが)

東京ディズニーリゾートのファンクラブ「ファンダフルディズニー」もその年会費の割には、カレンダーやら会報やら 記念品やらで赤字出すんじゃないかと思われる内容だが、有料ファンパーティや、レイジングスピリッツの試乗券プレゼント(入園パスポートは別売り)などで、ちゃっかり稼いでいる。

伝統的な「日本的サービス」というのも、実は価格に上乗せされているだけだったり、従業員側の無料奉仕の上に成り立っているものなんじゃなかろうか?

例えば、カット,シャンプー,顔剃り,セットまでやる「日本的サービス」な理髪店よりは、カットのみの米国式理髪 店のほうがはるかに安いですわな。

もちろん、採算度外視で働く人もいます。

けれども、それは、その仕事が面白いとか使命感に駆られる等、その人の自主性によってやっているのであって、他者から採算度外視で働けと言われてやるもんじゃない。

(サービス残業しなきゃクビになる…という消極的なものもあるか…。このようにサービス残業しなきゃクビという脅 迫めいた-酷い条件を飲まなければ、より酷くなると説得する交渉戦術を「ロシア戦線戦術」と呼びます)

オリエンタルランドのアルバイトの場合、多くの場合は賃金以上の「何か」を感じている様子が、実際にアルバイトをしている/していた人たちのブログなどから読み取れる。

まぁ、守秘義務もあって多くは発表できないのかもしれないけれども。

対価の範囲内のサービスを要求する、あるいはチップ制みたいに受けたサービスに見合った対価を支払うというのならばともかく、相手に採算度外視の無料奉仕を要求するのは、まっとうな関係とは呼べないでしょう。

もちろん「対価」が金銭や物品ではなく、相手の精神的満足という場合もありますよ。ただし、相手が企業や団体となると、そこに精神的満足というのは無い。(団体の場合、構成員全員の精神的満足とかいうのはあるかな?)

国や地方自治体のサービスというのも、ぐるっと回れば国民の税金から出ているワケよね。この国,地方自治体のサービスの場合、質の悪いことに官僚の天下り退職金やら無駄遣いやらで、支払った対価より、受けられるサービスが圧倒的に少ないんですけど。

ポイント3:サービスには何らかの形で「対価」が必要であることを心得よ


銭の華は清らかに白い。だがその蕾は血のように赤く、その香は汗の匂いがする…なんて、ドラマのナレーションがありましたが、「夢と魔法の王国」「冒険とイマジネーションの海」「物語とエンターテイメントにあふれる街」の下にも、利益追求のオトナの世界が埋め立てられてたりするのだな。

それを忘れちゃいけないよっと。

「それはそれ。これはこれ」で、「夢と魔法の王国」「冒険とイマジネーションの海」「物語とエンターテイメントにあふれる街」を楽しむのも重要ですね。

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